シアトル美術館蔵 日本・東洋美術名品展|屏風

2010/06/28 // Posted in アート  

もう1週間以上の前のことだけど、福岡市美術館でやってる
シアトル美術館蔵 日本・東洋美術名品展
に行ってきました。電車の中吊りで、金地に黒い鳥が舞う屏風を見て、実物を見てみたいと思ってたんです。

その目当てのその屏風は会場入ってすぐ、チケットもぎられたらもう目の前でした。ため、ができなかったのでちょっと表紙ぬけ、というか最初からどすんとジョーカーででやられる感じでした。

黒い鳥はカラスで、ほぼ真っ黒一色なんだけど、かがんだり斜めになったりして(自分の視点を変えて)光の加減を変えると、筆の刷毛目で羽の一枚一枚やカラスの顔が書いてありました。うーん、これは画集じゃわからないことだ。来てよかった。金の背景に群れる大きなカラスが騒がしく動き回っていて、大音量の屏風でした。

もうひとつ心に残った屏風(屏風がたくさんあった)は都路華香(つじかこう)という明治3年生れの画家のもの。タイトルは波千鳥でした。下から三分の一くらいの高さに水平線がある海の絵で、千鳥が数羽、渡っていってました。その波が、水色と白で描かれてるんんだけど、箔なんか使ってないのにキラキラしてるように感じました。

それから、たくさんの屏風をみて気づいたんだけど、屏風って正面から見るときは平面じゃないのにある視点から見たときは平面にみえるように作ってあるんですね。つまり正面から見るとM型なのに、絵が歪んで見えない。この「波千鳥」も、水平線がまーっすぐでした。でももちろんちょっとしゃがむと水平線は歪みます。で、じゃあどの視点を基準としたか。これは推測なんですけど、美術館での展示されてた具合からして、人が畳に正座した高さからみてただしく見えるようにしてあるみたいです。美術館ではだいたい人の腰のちょっと下あたりが底面となるように飾られてました。

これらの作品が日本ではなくアメリカに本拠地を置いてるのは残念だけど、西洋人の心を動かし、西洋人に買われ、その結果アメリカの美術館に収められてるというのは誇らしい気分。

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