彫刻家 藤堂良門 (TODO Ramon)|アトリエ訪問記

2008/01/24 // Posted in 1. 日記, 2007年12月 ドイツ旅行  

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2008年1月3日、デュッセルドルフ在住の彫刻家、藤堂良門さんを訪問してきました。
僕がデュッセルドルフに行くたびにお会いして、一緒にビールを飲みに行くんですが、今回はアトリエを見学させてもらいました。

アトリエは旧印刷工場の大きな建物の中にあります。複数の芸術家と共同でその建物の一部を借りてるそうですが、本当に大きな建物。高い天井、白い壁、蛍光灯の光が無機質で、夜に一人で来たとしたらちょっと怖いかも。階段を登り、いくつもの扉を通ってやっと到着です。

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彫刻家だけれどもドローイングもやる藤堂さん。いつもブログで見てたドローイングが!「ああ、これはこんな大きさだったのか」とか「こんな紙に描かれてるんだ」などなど、PCのディスプレイでは伝わらない部分をまじまじと見学しました。ナマの醍醐味(しかも制作途中のものも見られる)。
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ドローイングはアクリル絵の具で。散らかった(失礼!)デスクが創造の場です。

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やはり日本のココロも忘れない藤堂さん、「ごはんですよ!」のビンが!
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昼は彫刻の作業を別の場所で行い、夜はドローイングをこの場所で。毎晩2~3枚のペースで描かれてるとのこと。「ドローイングは精神衛生上よいから君もやりなさい」、といわれました(笑)

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制作途中の石とガラスを使った作品。この石とガラスの作品に、僕は大層惹かれているのです。
僕の腰まで程の高さもある大きなものから、手のひらに乗るような大きさのものまで、大きさは様々ですが、どれもガラスが挟まってます。光を部分的に放っているようで、僕はどうしても「かぐやひめ」の竹を思い出してしまいます。そこが「生きている」ということを主張しているような・・・というのは僕の感想で、藤堂さん自身による、石に関する文章をウェブサイトから拝借。

***藤堂さんのウェブサイトより引用***
各々の場所には独自の歴史・風土・文化などの「場所の固有性」があります。

私は世界各地の「場所の固有性」に興味があり、
それらを表現するためにいろいろな場所で採取した素材
(石・石炭・草木・水・土など)を使って作品を作っています。

つまり、それらの素材をそれらが存在した場所の固有の情報(歴史や文化等)が
記憶されているDNAのようなものだと考えているのです。
特に、地球上で一番古いマテリアルである石には、
その場所のすべての歴史が記憶されていると考えています。

石と石の間に挟まれたガラス(窓ガラスの積層)を通して、
人はその場所のいろいろな事を想像することが出来るでしょう。
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冒頭の写真は、僕が住んでたフライブルクの敷石が作品になったものです。
フライブルクで一番繁華な通り、Kaiser-Josef-Str(カイザー・ヨーゼフ通り)で僕が拾ったものを藤堂さんが作品にしました。何百年もの歴史と、街の記憶が詰まった、そして街や石の記憶にくらべたらナノレベルのものだけど、僕の思い出も、ちょこっとは降り積もってるフライブルクの通りの石です。思い入れのある街の一部がこのような形で生まれ変わって、感激です。

その後街の中心部に戻り、ドイツ料理屋に行きました。豚肉とデュッセルドル名物のアルトビールのお店です。
 
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豚肉をローストしたものにジャガイモを添えた料理。この店の次にはスペイン料理の店、その後終電までカフェでコーヒーを飲んだりなど、この日はかなりの時間一緒に過ごしました。

最後に、この日一番印象的だった、藤堂さんの一言。

~2軒目のスペイン料理屋で、ビールを飲みながら~
日本からお土産として『日本美術の歴史』という本を持って行ったのですが、この本、全編カラーでいろんな作品を紹介してあるんです。藤堂さんはこの本を手に取ってすぐパラパラとめくり、

「こんなん見てるともう全部やり尽くされてるような気がするねえ。でもまだ俺の作品はこの本に載ってないもんな」

とニヤリ。
 

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Comments (6)

  • SHIN より:
    一番上の作品大変いいです。
    すごく好きです。
    最初なんかな!?と思ったけど石とガラスなんやね。
    キレイ!
  • favourite より:
    石とガラス!素敵な作品ね~。
    これから藤堂さんのサイトに行ってきます。
  • トミー より:
    うわぁー面白いっ!
    面白い作品ですね。
    日本でも個展があれば、是非直に拝見したいものです。
    ガラスはしっかり磨かれて透過しているんですね。
  • Ken より:
    shin、
    写真では暗くなっちゃったけど、本当はもうちょっと明るい茶色の石でした。
    favouriteさん、
    以前の展覧会では、このような石+ガラスの作品が
    たくさん床に並んでる部屋がありました。壮観でした。
    トミーさん、
    藤堂さんのサイトに制作過程が見られるところがありますよ!
    是非!↓
    http://www.todoweb.jp/001_doc.html
  • ai より:
    石には各々の場所のすべての歴史が記憶されているからパワーがあるのかな。
    神秘的じゃない?モノとして考えられてる石がパワーを持ってるって改めて考えると。
    だから石は意志とも書くのかな。
  • Ken より:
    ai、
    石は古くなっても壊れないもんねえ、なかなか。

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